人体科学会
第34回年次大会
「こころーからだーくらし」
をつなぐ
大会概要
第34回大会では、人体科学会の先達が示された気の思想と実践の可能性と、新たな知のあり方を探求することを試みます。
スケジュール 受付場所
12月14日(土)ー15日(日)
大会受付・詳しいスケジュールはこちらをご覧下さい。
会場への交通・会場案内
関西大学堺キャンパスは南海高野線浅香山駅前にあります。難波から各駅停車で約20分です。
プログラム内容
学会シンポジウム、分科会、基調講演、気脈通じるコミュニティの交流の場の詳細はこちらから。
今年度の第34回年次大会は、大会のテーマを「こころーからだーくらしをつなぐ」とし、12月14日(土)・15日(日)の二日間にわたって関西大学堺キャンパスで開催いたします。
新型コロナウィルスは、気候危機や経済格差など私たちが直面する様々な危機の根底に、人と人、人と自然の「分断」があることを浮き彫りにしました。しかし、こうした分断は今に始まったことではなく、その背景にはガリレオやデカルト以来400年以上の時間をかけて、自然科学と資本主義が人類全体の文化的社会的な唯一の基軸として確立された歴史があります。この歴史に対して本学会は「東西の文明の古い英知を現代において問い直」し、「従来の学問分野の境界を越えて、文科系から医療体育系、理工系まで総合した観点に立ち、各学系総力で未知の領域(身体・気・意識・霊性など)の洞察を深め、人間の本質を探究し、将来の世界における思想的理念を求めてゆくことを目標」として設立されました。
この目標のもと関西大学では、2001年の第11回大会(大会長:坂出祥伸先生「今、氣の世紀が始まる:こころ・からだ・いのちの危機と触覚の復権」)、2008年の第18回大会(大会長:伴義孝先生「生き方の問題を問う」)と大学をあげた大会を開催させて頂きました。この第34回大会もこれら先達の示された問題意識と展望を引き継ぎ、わたしたちひとりひとりのワクワクする感覚と互いを想いやるこころで「つながる」コミュニティを創成する取り組みを展望したいと考えています。
第一日目には、研究発表・体験ワークショップ・会員企画のシンポジウムを通して、本学会がこれまでとりあげてきた気の思想(例:気候危機における「天人合一」と「昇降開合」の意義)、人や自然とのつながり(例:エディブルユニバーシティ、協生農法)、生老病死とそのケア(例:コンパッション・シティ)といったテーマを如何にしてわたしたちの日常生活のなかで実践していくかを検討します。
第二日目は会場である関西大学堺キャンパスにおいて、基調講演(「わたしが輝けば、世界も輝く」(仮題)」と、子どもや若者、高齢者、障がい者、地域に関わる様々な人が日々の生活の場で繋がりを紡ぎ出しウエルビーイングを実感できるコミュニティ構築の実験場を提供します。これは、湯浅泰雄が残した「“哲学”が終わる時代の新しい知」のあり方を検証した黒木幹夫が提案する「具体的な行為に関わるフロネーシスとしての『知』」の探求のために、大学キャンパスを新たな実践知の共創の場、ソーシャル・イノベーション・コモンズと位置付ける提案でもあります。
この大会を通して、わたしたちが学知(エピステーメ)と技術知(テクネー)と行為知(フロネーシス)を接続し、自らの生きる身体を通して生命の循環と多様性から学ぶあり方を日々の生活の場で実践することで、近代社会がもたらした「分断」から新たな繋がりが生み出されることを願っております。
今私達に求められていることは、自らと不可分ないのちを自覚することです。人体科学会は「身体」を通していのちを考えていく学会です。いのちの自覚には、自然と直結した身体が大きな役割を果たすのではないでしょうか。
人体科学会では、様々な分野の研究者、実践者が集い、これまで研究・活動を積み重ねてきました。そして、権威ではなく、創発の「場」としての学会のあり方にチャレンジしています。新しい時代のために、皆様と共に「新たな知」を創造していくことが、私たちの学会の役割と考えています。
人体科学会 鮎澤聡会長